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自己満足と客観性

  

国際協力に関わるキャリアパスを描く上で考えること、第3回。

 

今回は今までのキャリアパスを描く上で、という話ではなく、キャリアパスを描こうと思うかどうか、つまり国際協力を仕事として続けていこうと思う前提になる段階の話。

 

大学生が国際協力をやっていて、ぶつかることの多い問題の一つが「国際協力って自己満足じゃないの?」という問い。

他人からぶつけられることもあるし、自分の中から沸き上がってくることもある。あるいは本人は気付いていなくても、「途上国で何かでっかいことやりたい、弱い人を助けてやりたい、偉いことやりたい、難しいことはよく分からんけどやってやったぜ的なのしたい」みたいな感じで自己満足100%で突っ走ってる人も多い(僕が国際協力系の学生団体を早々に辞めたのは、こうした人の多さに幻滅したのが一つの理由だったりする)。

こうした疑問を自分の中でどう扱うかというのは結構難しい。国際協力を行う必要がある理由ってのは僕の中にもいくつかあるけれど、国際協力に限らずどんな仕事・活動でも「やるべき理由」ってのはいくらでもあるだろうし、後付けもできる。

 

だから僕は、国際協力が自己満足であることは否定できないと思う。だけど、普通の自己満足とは異なる性質のものだとも思う。

 

国際協力の場合は、良かれと思って、途上国のためになると思ってやることが、結果的に逆効果になったりする。これは別に学生団体とかだけの話じゃなくて、国連や政府も同様の(かつ大規模な)失敗をしたりもしている。事前の準備不足で行う国際協力は、自分たちが満足したかどうかは別として、現地の人にとっては迷惑でしかなかったりする。

 

色んな国際機関が出している統計データなどを参考にして、周辺地域で類似の活動をしている組織とコミュニケーションを取って、地域の実力者から社会的弱者まで広くニーズを聞いて、持続可能性も十分検討して、そういう準備をしっかり行ってから始めることで、自分の自己満足だけでなく、他人の満足にも繋がる可能性が高まるし、むしろそうでなければならない。

自己満足のために結果として人に迷惑をかけないように、人の満足に対して自己が満足できるように、そういった意味で、運動したいからサッカーするとか、起業したいから起業するとか、そういった種の自己満足と国際協力に関わる自己満足は異なるべきものであると僕は理解している。

 

【ひとりごと】

自分の心に忠実に。一方で、客観的な視点で妥当性をもって進めていくことも大切。

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